住宅を長持ちさせるには、適切にリフォームやメンテナンスを行っていくことがポイントです。
とくに外壁は、太陽光による紫外線や熱など劣化要因の影響をダイレクトに受けるため、リフォームやメンテナンスの時期、およびタイミングには注意が必要となります。
外壁リフォームは、大きく「塗装」「カバー工法」「張り替え」の3種類が挙げられます。
しかし、これらをどのように検討すればよいのか、よくわからない人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、外壁リフォームの「塗装」「カバー工法」「張り替え」の3種類について、それぞれの特徴や実施するタイミングなど、徹底比較してみたいと思います。
外壁リフォームの「塗装」「カバー工法」「張り替え」を徹底比較
外壁リフォームは大きく「塗装」「カバー工法」「張り替え」の3種類がありますが、それぞれ特徴が異なります。
それぞれの特徴と、実施するタイミングについて、以下にご紹介いたします。
●外壁リフォームの「塗装」について
外壁リフォームの「塗装」とは、外壁材の表面塗装を塗り替える方法です。
住宅の外壁といえばサイディングが主流となっていますが、当然ながら表面に施されている塗装が最も早く劣化します。
ところが、表面塗装の劣化が著しく進むと、基材が傷み、さらには建物を傷める原因にもなるため注意が必要です。
表面塗装は、塗料の性能によって変化するものの10年程度での塗り替えが目安とされています。
よって、「塗装」による外壁リフォームは、10年を目安とすること、そして劣化症状を見きわめて基材へ影響が及ぶ前に実施を検討する必要があるでしょう。
・「塗装」のメリット
「塗装」のメリットは、なんといってもコストが安いことです。
他の2種類と比べると少ない工程で行えるため、材料費や人件費が抑えられます。
また、色や性能など多くの種類のなかから好みの塗料を選べる自由度の高さも魅力のひとつです。
・「塗装」のデメリット
・「塗装」のデメリットは、耐久性が劣ることです。
フッ素塗料や無機塗料など高性能塗料もありますが、他の2つのリフォームと比べると寿命は短く設定しておく必要があります。
また、基材の劣化が著しく進んでいる場合は、塗り替えでは対応できないため、別の方法を検討しなくてはなりません。
●外壁リフォームの「カバー工法」について
外壁リフォームの「カバー工法」とは、既存の外壁の上に新たな外壁材を重ね張りする方法です。
外壁は、完全に新しいものになることから、新築同様の仕上がりが実現できます。
また、既存外壁と新しい外壁の間に胴縁を設置して、通気層が設けられることが大きな特徴となります。
「カバー工法」は、おもに金属サイディングが使われますが、その多くは表面塗装の耐久性が優れていることが一般的です。
高性能塗料は20年以上の耐久年数が期待できるうえ、コーキングが表面に現れない施工方法となるため劣化の進行をかなり抑えられます。
つまり、「カバー工法」を行った後はメンテナンスサイクルを長く設定できるということです。
よって、20年が経過した頃には「塗装」か「カバー工法」のどちらを選択するのか検討するとよいでしょう。
そのときに、メンテナンスの回数を少なく、そして今後も長く暮らすことを考慮するなら、「カバー工法」のほうが有利となるかもしれません。
・「カバー工法」のメリット
「カバー工法」のメリットは、建物の性能を高められることです。
新たに通気層を設けるため、断熱性や防音性が向上します。
また、既存の外壁材をそのまま使うことで、廃材処分費や人件費を抑制できます。
そのため、張り替えよりも短工期で、かつ低コストで工事を行うことが可能です。
・「カバー工法」のデメリット
「カバー工法」のデメリットは、既存の外壁の劣化が著しい場合は施工できないことです。
このケースでは下地にまで影響が及んでいる可能性が高いため、いったん外壁を解体して下地のメンテナンスを行う必要があります。
よって、選択肢は「張り替え」ということになってしまいます。
また、外壁材を重ねるため、建物の重量が大きくなり耐震性に影響することは注意が必要です。
そのため、できるだけ軽量な材料を使用することがポイントとなります。
●外壁リフォームの「張り替え」について
外壁リフォームの「張り替え」は、既存の外壁をいったん解体して、新たな外壁に張り替える方法です。
既存の外壁材を解体したえで「張り替え」を行うため、これまでとまったく異なる色やデザインを選択すれば外観を一新することも可能となります。
外壁材の主流となっているサイディングは、メーカーの技術開発により過去の製品より耐久性が向上しています。
期待できる耐久年数は30~40年程度といわれていることから、建物の耐久性を考慮すると、一度「張り替え」を行えばその後のリフォームは基本的に必要ありません。
ただし、表面塗装は劣化するため、状況に応じて「塗装」を行うことがあります。
よって、30年が経過すると外壁材そのものが傷んでいる可能性があるため、その頃には「張り替え」か、あるいは建て替えを検討することになるでしょう。
・「張り替え」のメリット
「張り替え」のメリットは、下地のコンディションを確認したうえでリフォームできることです。
下地が傷み重要構造に影響があると、建物の耐久性を低下させる原因となるため、状態をしっかり確認できることは大きなメリットです。
また、材料を軽量化すれば、それだけで建物への負担を軽減し耐震性アップにつながります。
・「張り替え」のデメリット
「張り替え」のデメリットは、コストが高くなってしまうことです。
既存の外壁材を解体し、処分する必要があるため、他の方法よりも人件費や廃材処分費が多くかかってしまいます。
また、工期が長期化することにより、日常生活や近隣への影響は考慮しておく必要があるかもしれません。
まとめ
外壁リフォームは、大きく「塗装」「カバー工法」「張り替え」の3種類です。
これらは、どの方法を選択するのかによってコストや性能などが大きく変わります。
今ある外壁はどのような状態なのか、また今後どのように暮らしていくのかなど、総合的に判断して決定するとよいでしょう。