フローリングの「重ね張り」とは、既存の床の上に新しいフローリング材を重ねて張っていく工法を指し、上張りと呼ばれることもあります。

重ね張りには、既存のフローリングを撤去し新しいものに交換する「張り替え」とは異なるメリット・デメリットがあるため、よく理解したうえで工法を選ぶことが大切です。

今回は、フローリングを重ね張りするメリット・デメリットをご紹介します。

ローリングを重ね張りするメリット

フローリングを重ね張りするメリットは、以下の3つです。

・安価に施工できる

・工期が短くてすむ

・騒音が出ない

順番に解説します。

安価に施工できる

フローリングを重ね張りするメリットは、張り替えよりも安価に施工できることです。重ね張りでは既存のフローリングを撤去する必要がないためです。

たとえば張り替えであれば、既存フローリングを撤去するのに人や時間を割かなければならず、廃材の処分費なども必要です。一方重ね張りでは既存のフローリングの上に重ねて張っていくだけなので、そういったコストが発生しません。

全体の施工費を安く抑えられるのが、重ね張りの利点です。

工期が短くてすむ

重ね張りでは、既存フローリングを撤去する必要がない分、工事にかける時間が短くてすみます。

通常、8畳程度のフローリングを張り替えるのであれば、既存の床材の撤去から下地の調整、新しい床材の設置まで、2〜3日程度必要です。

その点重ね張りであれば、重ね張り用の薄いフローリング材を両面テープや接着剤で張っていくだけなので、1〜2日で終了します。工事期間を最短に抑えたいなら、重ね張りを検討すると良いでしょう。

騒音が出ない

重ね張りは、騒音が出ないこともメリットの1つです。

フローリングを張り替える場合は、既存のフローリングを撤去する際や下地の調整、新しいフローリングを打ち付けるときなどにどうしても施工音が出てしまいます。

しかし重ね張りであれば、新しいフローリング材を既存の床材の上に両面テープや接着剤で張っていくだけなので、ほとんど音を発しません。とくにマンションの場合は近隣住人に迷惑をかけないか気になりますが、重ね張りならその気遣いも最小限に抑えられます。

重ね張りのデメリット

工期が短く安価にすませられる重ね張り工法ですが、次のようなデメリットもあります。

・段差が生じる

・ほかの部分と干渉する可能性がある

・下地の劣化を確認できない

順番に見ていきましょう。

段差が生じる

重ね張り工法では、上に張るフローリングの厚み分、段差が生じるのがデメリットです。

重ね張り工法で使用されるフローリング材は、通常のフローリング材よりも薄い、厚さ1.5mm〜6mm程度のものが使用されます。

リフォームする部屋に敷居があり、その厚みの範囲でおさまるのであれば問題ありません。しかしそうでない場合、どうしても段差が生じます。ほんの1.5mmであっても、足の裏は敏感なので、違和感を覚える人も多いのです。

ほかの部分と干渉する

重ね張りして高さが上がることで、入口のドアやクローゼットの扉と干渉する可能性もあります。

その際には、ドアや扉を取り外し、干渉しないように下部を削る必要があります。場合によっては、その分の工賃が発生するのもデメリットです。

下地の劣化を確認できない

重ね張り工法では、下地の劣化を確認できないのがデメリットです。

張り替えの場合は、一度すべての床材を撤去するため、下地が腐っていないか、白アリ被害にあっていないかなどを確認できます。

しかし重ね張りの場合、既存の床材はそのままにして上から張り付けていくため、下地の状態はわかりません。見た目がいくら新しくきれいになっても、もし下地の状態が悪ければ、重ね張りしても長持ちしない可能性がある点には注意が必要です。

フローリングを重ね張りする際の注意点

フローリングを重ね張りでリフォームする際には、下地の状態に問題がないかをリフォーム会社にしっかりと確認してもらうことが大切です。

とくに歩くとフローリングが沈む、ふかふかするといった場合は、下地が傷んでいる可能性が高いと考えられます。そのまま重ね張りしてしまっては、根本的な問題の解消にはなりません。

フローリングの重ね張りは、張り替えよりは安価とはいえ、数万〜数十万円の費用がかかる工事です。リフォーム後に「こんなはずじゃなかった」とならないよう、重ね張りを希望するときには、張り替えなくても問題がないかを必ずチェックしてもらいましょう。

まとめ

フローリングの重ね張りリフォームは、張り替えと比較して短期間で、しかも安価に施工できます。しかし下地の状況が確認できない、段差が生じるといったデメリットもあります。

とくに下地の状態を十分確認しないまま施工してしまうと、せっかくリフォームしたのに短期間で張り直しになることも。そのようなことがないよう、重ね張りしても問題ないかはリフォーム業者によくチェックしてもらいましょう。

なお祢冝田建設では、フローリングの重ね張りや張り替えリフォームのご相談にも応じています。新築工事から承る住宅のプロとして、床の状況を確認したうえで適切なご提案をいたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。