現在外壁材の主流となっているのが「窯業系サイディング」です。
しかし実際どのような外壁材なのか、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、窯業系サイディングの特徴やメリット・デメリット、メンテナンス方法まで解説します。リフォームに際し、外壁材の選択に迷っている方のご参考になると幸いです。
窯業系サイディングとは
窯業系サイディングとは、セメントを主原料として、繊維質などを混ぜたものを板状に加工した外壁材を指します。
・厚さ:14mm〜26mm
・長さ:3,030mm、1,820mmが主流
・幅:450、910mm、1,000mmが主流
・表面塗装:アクリル系・シリコン系・フッ素系・無機系塗料、または無塗装
日本サッシ協会が2021年に発表した調査結果によると、2020年に調査した戸建て住宅の外壁仕上げ材の80.4%で窯業系サイディングが使用されています。かつて住宅の外壁材の主流はモルタルでしたが、今では窯業系サイディングが主流となりました。
外壁に窯業系サイディングを使用するメリット・デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
【参考】一般社団法人 日本窯業外装材協会「窯業系サイディングの種類と用途」
【参考】一般社団法人 日本サッシ協会「2021年3月版『住宅用建材使用状況調査』の概要」
窯業系サイディングのメリット
窯業系サイディングのメリットは、次の3つです。
・色やデザインのバリエーションが豊富
・比較的安価に施工できる
・耐火性に優れている
順番に解説します。
デザインや色のバリエーションが豊富
窯業系サイディングはセメントを成型して作られるため、デザインのバリエーションが豊富です。レンガ調や木目調、タイル調などさまざまなデザインから選べるので、好みの外壁に仕上げやすくなります。
また窯業系サイディングは表面を塗装で仕上げるため、色の種類が多いことも特徴です。外観にこだわりたい方には、おすすめの外壁材です。
比較的安価に施工できる
窯業系サイディングは、ほかの外壁材よりも安価な傾向があります。
また工業製品として板状に加工されているので、モルタル外壁のように職人が手作業で仕上げる必要もありません。そのため初期費用を安く抑えて施工できるのがメリットです。
耐火性に優れている
窯業系サイディングは不燃・準不燃材料として国土交通大臣認定を取得しています。
耐火等級3(火災による火熱を45分遮る)、耐火等級4(同60分)を取得しているものが多く、万一自宅や隣家で火災が発生しても、延焼を防止しやすくなります。
窯業系サイディングのデメリット
窯業系サイディングには、以下のようなデメリットもあります。
・防水機能はやや低い
・シーリング部分が多くなる
順番に解説します。
防水機能はやや低い
窯業系サイディングの素材であるセメント質は、それ自体では防水機能がありません。
窯業系サイディングが雨水の浸入を防ぐ役割を果たしているのは、表面に塗装が施されているためです。そのため表面の塗装の防水機能が衰えると、窯業系サイディングに水がしみ込み劣化していき、最終的には構造部分にまで雨水の浸入を許すことになる可能性があります。
また窯業系サイディングは、パネルをビスなどで壁に張り付けていくため、ビスが劣化してさびてくるとそこから雨水が浸入することも。またパネルの継ぎ目を処理するシーリング材は、耐用年数が5〜10年程度しかありません。窯業系サイディングに問題がなくても、シーリングの劣化により家を雨水から守れなくなる可能性がある点も注意が必要です。
蓄熱性が高い
窯業系サイディングの素材であるセメント質は、熱を吸収しやすい性質があるため蓄熱性が高いのが特徴です。そのため夏は蓄熱によ外壁の温度が上がり、室内温度も上昇しやすくなります。
窯業系サイディングの蓄熱を防止するには、表面に使用する塗料を遮熱効果のあるものにするのが有効です。またリフォームに際しては、下地とサイディングの間に断熱材を施工すると良いでしょう。
窯業系サイディングのメンテナンス方法
上で解説したとおり、窯業系サイディングは表面塗装とシーリングにより防水機能を果たします。そのため塗装とシーリングの劣化状況を見極めたうえで、適切なタイミングでのメンテナンスが必要です。
塗装メンテナンスは、使用されている塗料の耐用年数にあわせるのが基本です。アクリル系塗料で仕上げられた製品であれば5〜8年、シリコン系であれば10〜15年程度が目安です。劣化症状が出てからではなく、防水機能が保たれているうち塗り直すと寿命が長くなります。
シーリングに関しても、5〜10年程度が耐用年数とされているため、塗装メンテナンスとあわせて打ち直しをおこないましょう。
まとめ
外壁材として日本でもっとも多く使用されている窯業系サイディングは、色やデザインの種類が豊富、耐火性が高いといったメリットがあります。その反面、定期的なメンテナンスをしなければ、防水性を保てなくなる点には注意が必要です。
メンテナンスは防水機能が衰える前に早めにおこなうことが、窯業系サイディングを長持ちさせる秘訣です。
なお祢冝田建設でも、外壁リフォームのご相談に応じています。まずはお気軽にお問い合わせください。