外壁材には多くの種類があり、それぞれ特徴やメリット・デメリットが違います。新築時やリフォーム時に外壁材を選ぶときには、それらを考慮して選ぶことが大切です。
今回は、よく使われる次の4種類の特徴やメリット・デメリットなどをご紹介します。
・窯業系サイディング
・モルタル
・金属系サイディング
・ALCパネル
それぞれの違いを把握して、ご自宅にあった外壁材を選ぶ際のご参考にしてください。
「窯業系サイディング」は現在もっとも使用されている外壁材
窯業系サイディングは、主原料であるセメントに繊維質や増量剤を混ぜて板状に加工された屋根材です。現在日本でもっとも使用されている外壁材で、一般社団法人 日本窯業外装材協会の統計データによると、2020年(令和2年)に戸建て住宅で使用された外壁材のうち、窯業系サイディングのシェアは80.4%に達しています。
窯業系サイディングのメリット
窯業系サイディングのメリットは、レンガ調・タイル調などデザインなどのバリエーションが多いことです。好みの色がない場合は、無塗装サイディングを好きな色で仕上げることも可能です。
外壁は外観の大部分を占めるため、家の印象を大きく左右します。外観にこだわりたい方は、窯業系サイディングがおすすめです。
窯業系サイディングのデメリット
一方窯業系サイディングは、蓄熱しやすいため表面温度が上がりやすいのがデメリットです。そのため窯業系サイディングで仕上げるときには、しっかりと断熱対策を施す必要があります。
窯業系サイディングは素地がセメントであるため、防水性も高くありません。表面の塗装が劣化し防水機能を果たせなくなると、吸水と乾燥を繰り返して変形や反り、ヒビ割れなどを起こす可能性がある点にも注意が必要です。
「金属系サイディング」は住宅を軽量化させ耐震性向上に貢献
金属系サイディングは、ガルバリウム鋼板などの金属板を成型し、断熱材などを裏打ちしたものです。2020年(令和2年)の戸建住宅市場でのシェアは、アルミ・金属サイディングの両方をあわせて10.5%。窯業系サイディングに続いて第2位につけています。
金属系サイディングのメリット
金属系サイディングのメリットは、なんといっても軽量なことです。軽いので建物への負担が少なく、張り替え時に採用すると建物の耐震性向上に大きく貢献します。断熱材が裏打ちされているため断熱性も高く、金属なので欠けたりヒビ割れたりすることもありません。
金属系サイディングのデメリット
金属系サイディングは、金属であるがゆえ、キズがついたり経年劣化によりサビが発生したりする可能性があることです。とくに海沿いなど、潮風を受ける場所ではサビやすいため注意が必要です。
「モルタル」は昔の日本の住宅で主流だった外壁材
モルタルは、窯業系サイディングが使用されるようになるまでは、日本の住宅で主流だった外壁材です。ラスと呼ばれる網状の金物の上から、セメントに水と骨材を調合したモルタルを塗りつけて仕上げます。2020年(令和2年)の戸建住宅市場でのシェアは第3位、5.4%となっています。
モルタルのメリット
モルタルは、ほかの外壁材と違って左官職人がコテで塗り込んで仕上げるのが特徴です。そのため波模様をつけたり、タイルを張り付けたり、外壁を好きにデザインできるのがメリットです。またボードではないので継ぎ目がなく、シーリングの劣化を気にする必要もありません。
モルタルのデメリット
一方モルタルは、ヒビ割れしやすいのが欠点です。さらに窯業系サイディングと同様に素材そのものには防水機能がないので、定期的に表面塗装が必要です。
またほかの外壁材と比較すると重量があるので、耐震性にも劣ります。左官職人が手作業で仕上げるため、職人の腕によって仕上がりに差が出る点には注意しましょう。
「ALCパネル」は機能性に優れた外壁材
ALCパネルは、珪石とセメント、生石灰、発泡剤のアルミ粉末を主原料とした「軽量気泡コンクリート」と呼ばれる素材でできた外壁材です。2020年(令和2年)の戸建住宅市場でのシェアは第4位、0.8%となっています。
ALCパネルのメリット
ALCパネルは、通常のコンクリートと比べて約4分の1の重さしかなく、水に浮くほど軽量でありながら、強度が高いことが特徴です。耐火性や断熱性にも優れており、一般住宅だけでなく、高層ビルや公共施設などでも多く採用されています。
ALCパネルのデメリット
一方ALCパネルは、窯業系サイディング、モルタル外壁と同様に、素地自体に防水性がありません。そのため定期的な塗装メンテナンスが必要です。ALCパネルは発泡素材なので多くの気泡を含んでおり、水が入ってしまうと急速に劣化が進むため注意しましょう。
まとめ
日本で主に使用されている外壁材を4種類ご紹介しました。
どの外壁材を選ぶと良いかは、新築かリフォームか、張り替えかカバー工法かなどによって違います。とくにリフォーム時は、耐震性や現在の外壁の状況を考慮して判断しなければなりません。
ご自宅に採用するのに適した外壁材を知りたいときには、ぜひ祢冝田建設までご相談ください。