和室の洋室へのリフォームを希望するお客様は少なくありません。とくにリビングと隣り合った和室を撤去し「リビングと一体化させたい」とのご要望が増えています。

今回は、リビング横の和室を撤去し、一体化させて広々としたLDKにリフォームさせる流れとポイントをご紹介します。

STEP① 和室とリビングの間の間仕切り壁を撤去する

リビングと和室を一体化させるには、まず間にある間仕切り壁とふすまや引きといった建具の撤去が必要です。撤去時には、接している壁や天井に張られているクロスが破れてしまうため、張り替えが必要になります。

費用を抑えるために和室部分のみ張り替えるときは、間仕切り壁の撤去時にできるだけリビング側に影響が出ないように進めます。

POINT:取り壊せない壁に注意する

壁を取り壊すときには、取り壊せない壁がある点には注意が必要です。

壁のなかには「耐力壁」と呼ばれる、面で建物を支える役割を果たしているものがあります。和室とリビングの間の壁が耐力壁である場合には、完全な一体化ができないかもしれません。

どの壁が耐力壁かは、建物の構造を熟知していないと判断が困難です。そのため壁の撤去が関係するリフォームは、工務店など住宅の構造に詳しい会社に依頼するのがおすすめです。

STEP② 天井の高さをそろえる

和室の天井は、ラミネート天井と呼ばれる木目の化粧合板が張られており、高さが低く設定されているのが一般的です。これは和室では床に直接座って過ごすことから、それにあわせているためです。

そのためリビングと一体化させるときには、天井の下地の高さを調整する工事をおこないます。

POINT:段差が気にならないならコストを抑えられる

天井は床や壁と違って視界に入りにくいので、段差が気にならないなら高さはそのままで段差処理だけで済ませばコストを抑えられます。最初は気になるかもしれませんが、すぐに見慣れてしまうでしょう。その場合、現在の天井板の上に薄いベニヤを張って、さらにクロスで仕上げます。

STEP③ 床の高さを調整して張り替える

床については、敷居のぶんだけ高くなっているのが一般的なので、リビングと高さをそろえるために下地を調整する必要があります。

高低差を完全になくしてフラットにすることで、リビングとの一体感が生まれます。バリアフリーにするためにも、高さ調整は必ずおこないましょう。

STEP④ 押し入れをクローゼットに作り変える

和室に押し入れがある場合、クローゼットに作り変える工事もおこないます。

クローゼットを完全に撤去して、さらにLDKの広さを確保することも可能です。しかし収納がないとものがあふれ、せっかくリビングを広くしたのに、狭く感じてしまう恐れがある点には注意しましょう。

収納に関しては、手持ちの家具も含め、工事終了後の収納計画をきちんと立てて検討するのがおすすめです。

STEP⑤ フローリングを張る

続けてフローリングを張っていきます。フローリングは、既存のリビング部分と同じ製品が廃盤になっていなければ、取り寄せて使用すればコストを抑えられます。

ただしリビング部分のフローリングが劣化して変色している場合には、ちぐはぐした感じが出てしまうでしょう。床は天井と違って目に入りやすいので、一体感を重視したいなら全面張り替えるのがベターです。

STEP⑥ クロスを張る

最後にクロスを張っていきます。クロスについても、リビングに張られているものと同じ製品があるならそちらを取り寄せて使用します。ただしフローリングと同様に、経年劣化で日に焼けていたり、汚れていたりする場合には、同じ製品を張っても違和感は防げません。

予算が許すのであれば、リビングとあわせて全面張り替えをおすすめします。部屋の構造によっては、リビングとひと続きになっている壁だけ全面張り替えるだけでも良いでしょう。

POINT:クロスは膨張色を選ぶと広く感じる

LDKのクロスを全面張り替えるときには、膨張色である白や暖色系を選ぶと広く感じるのでおすすめです。

膨張色とは、別の色と比べたときに、広がったり大きく見えたりする色のことです。分譲マンションなどの壁の多くが白なのは、実際よりも広く見えるためといわれています。膨張色を選ぶと、和室と一体化させて物理的に広くなったLDKを、さらに広く見せる効果を得られます。

まとめ

和室を撤去し、リビングと一体化させて広くするリフォーム工事の流れやポイントをご紹介しました。

和室は天井や床の高さが洋室とは違うので、リビングと一体化させるには高さ調整工事が必要です。また間仕切り壁を撤去するときには、その壁が耐力壁ではないか、慎重に見極めなければなりません。そのため工事を依頼するときには、住宅の構造を熟知した業者を選ぶことがなによりも大切です。

祢冝田建設は、住宅リフォームだけではなく、新築工事も承っている工務店です。ご自宅の構造がどのようになっているのかを確認したうえで、ベストなリフォームのご提案をいたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。