電気料金の値上がりが続いています。電気代を節約できる「太陽光発電」や「オール電化住宅」が気になる方もいるのではないでしょうか？
オール電化住宅とは、都市ガスやプロパンガスの契約をせず、家で使うエネルギーを電気だけでまかなう住まいのことをいいます。
リフォームでオール電化住宅にするために必要な設備や注意点について解説します。
オール電化住宅のメリット
オール電化住宅にリフォームするメリットは、以下のようなものが挙げられます。
IHクッキングヒーターを使える
オール電化住宅にリフォームすると、加熱機器はガスコンロからIHクッキングヒーターに変わります。IHクッキングヒーターは、火を使わないので安全性が高く、お手入れも簡単です。
火災のリスクが減る
オール電化住宅は、室内で火を扱いません。空調機器も電気が中心となるため、火災や一酸化炭素中毒のリスクを減らせます。お子さんや高齢の家族がいるご家庭では安心して過ごせるでしょう。
災害時の復旧が早い
電気はライフラインの中でも比較的復旧が早く、水道と電気が復旧すれば元通りの生活を送ることができます。
オール電化住宅のデメリット
オール電化住宅には以下のようなデメリットがあり、よく検討することも大切です。
初期費用が高い
オール電化住宅にリフォームするには、少なくともエコキュートとIHクッキングヒーターを導入しなくてはなりません。
ガス給湯器をエコキュートに変えるための費用相場は、約50～100万円（タンクの容量によります）。ガスコンロをIHクッキングヒーターに変える工事は、約20～40万円が目安となります。
総額では、約70～140万円の費用が必要となるため、よく検討することが大切です。
停電・災害時に生活への影響が大きい
災害時の電気の復旧は比較的早いものの、オール電化住宅は生活で必要なエネルギーを電気だけに依存しているため、災害時は生活への影響が大きくなります。
備えとして、カセットガスで使えるコンロやストーブ、予備のカセットガスを用意しておくと良いでしょう。
使用できる調理鍋に制限がある
IHクッキングヒーターでは使用できない鍋もあります。オールメタル対応IHヒーターを選ぶと使える鍋が増えますが、電気が通らない土鍋や鍋底がフラットでない中華鍋などは使うことができません。
オール電化住宅にリフォームするために必要な設備
オール電化住宅にリフォームするためには、さまざまな設備を検討します。
オール電化住宅で必須となる設備、光熱費削減に役立つ設備の2つに分けて紹介します。
オール電化住宅に必須の設備
オール電化住宅にリフォームするためには、給湯設備である「エコキュート」と電気で調理する「IHクッキングヒーター」の2つの設備導入が必須となります。
エコキュートは空気中の熱を利用してお湯を作り、タンクに貯湯するシステムです。少ない電気で効率よくお湯を作ることができます。
IHクッキングヒーターは五徳がないフラットな天板が特長の加熱機器です。鍋を発熱させて調理をする仕組みとなっています。
オール電化住宅で光熱費削減に役立つ設備
オール電化住宅で電気料金を節約するためには、深夜電力でエコキュートにお湯を貯める、深夜電力でドラム式洗濯乾燥機を使うなどの方法があります。
オール電化向けの電気料金プランは、日中高い場合が多いため、昼間に電気を使うご家庭では光熱費が増えてしまうことも。オール電化住宅で昼間に電気を多く使うご家庭では、「太陽光発電」を導入すると光熱費を抑えられるでしょう。
さらに、太陽光発電で電気が余った場合は「蓄電池」に貯めると無駄がありません。売電価格はいずれ下がってしまうので、蓄電池に貯めて自宅で使うことを前提に考えるのが得策です。
ただし、太陽光発電も蓄電池もそれぞれ費用は100万円以上かかります。使えば使う程お得にはなりますが、初期費用が高額なためよく検討しましょう。
オール電化住宅にリフォームをする際の注意点
オール電化住宅にリフォームして後悔しないために、確認しておきたい注意点を解説します。
エコキュートの設置場所を確保できる？
エコキュートはヒートポンプユニットと貯湯タンク、2つの設備で構成されています。貯湯タンクが非常に大きいため、事前に設置可能か業者に確認してもらいましょう。
また、設置だけでなくメンテナンスができるスペース、非常時にタンクから水を取り出すためのスペースも必要です。
エコキュートは夜間に稼働してお湯を作るため、動作音が気になることも。自宅の寝室近くや隣家の寝室からは離して設置したほうがトラブルになりません。
Hクッキングヒーターに変えても支障はない？
IHクッキングヒーターにはメリットが多くありますが、ガスコンロには直火調理の良さや使える鍋に制限がないといったメリットがあります。
やっぱりガスコンロの方が良かった……と後悔しないために、IHクッキングヒーターに変えても支障がないかよく検討しましょう。
まとめ
オール電化住宅は初期費用だけでなく、導入後のランニングコストについても十分な検討が必要です。
電気料金は日々改定されていきます。ランニングコストが下がることで初期費用を回収できるか、太陽光発電や蓄電池を導入したほうが良いか、導入前に考えることが非常に多くあります。リフォーム業者と相談しながら、慎重に決めていきましょう。
