1階がリビング、寝室が2階の間取りでは、夜トイレに行きたいときに1階に降りなくてはなりません。年齢を重ねると、夜間に1階に降りるのが負担と感じることもあるでしょう。

「2階にトイレがあればよかったのに」と思うことがあれば、トイレを増設してみませんか?

この記事では、2階にトイレを増設する場所やリフォームの注意点について解説します。

2階にトイレは増設できる?

トイレを設置するスペースの確保と配管の接続ができれば、2階にトイレを増設することは可能です。一番ポイントとなるのが、給水管と排水管までの距離。配管の長さやジョイントの回数などによって費用が変わってくるでしょう。

2階にトイレを設置できる場所は?

ベストなのは1階トイレの真上

1階トイレの真上にトイレを増設できれば、配管の距離を短くできます。リフォーム費用も期間も抑えることができるでしょう。

押入れやクローゼットに増設する

寝室の押入れやクローゼットの空間を活かして、トイレを設置することもできます。廊下に出る必要がなくなるので、高齢者にとっては便利で安心です。

ただし、においが気になる場合もあるので注意しましょう。

真下にリビングや個室がある場合は注意

増設するトイレの下にリビングや個室がある場合は、トイレを流したときの排水音が気になる場合があります。できれば避けた方がよい配置といえるでしょう。

増築する選択肢もある

2階にトイレを設置する場所がない場合は、増築してスペースを確保することもできます。

ただし、リフォーム費用も期間も大幅にかかるため、あまりおすすめはできません。

階段の近くは避けたほうがよい

2階のトイレは、夜間に使うことが多いので、階段周辺に設置するのは避けましょう。夜は足元が見えづらく、出入りの際に転落や転倒する危険があります。

トイレを増設する場合は出入口の種類に注意

外開きドア

ドアが外開きの場合、ドアを開けるときに手前に引くことになります。通路側にドアの可動域が必要になるので、他の人の通行を妨げることがあります。

内開きドア

内開きのドアは通路側にドアが出ないものの、出入りがしにくい、中で人が倒れたときに開けにくいといった問題があります。できれば避けた方がよいでしょう。

引き戸

トイレ増設の出入口で最もおすすめなのは引き戸です。横にスライドするだけで開け閉めでき、閉じ込めの心配もありません。廊下が通りにくいといった問題が起きないのもメリットです。

中折れドア

中折れドアとは、扉が折りたたみ式になったドアのことです。通路側に出るドアの幅はわずかで端に寄せるようにして開けます。

引き戸は、戸を引き込むためのスペースが必要なため、設置できないケースがあります。中折れドアは引き込むスペースを必要としないので、引き戸を設置できない場合は中折れドアを検討してみましょう。

トイレに必要な広さはどのくらい?

トイレに必要な広さは幅80cm、奥行きは160cmあると使いやすいですが、120cmあれば不便は感じないでしょう。

またトイレを設置したときに、トイレ前方から壁まで50cm以上あると安心です。このスペースが狭いと、前傾姿勢をとったときに頭をぶつける可能性があります。

タンク付きトイレとタンクレストイレでは本体奥行き寸法が10cmくらい異なるので注意しましょう。

LIXILのトイレ「サティスS」は、本体奥行き寸法が65cmと小さく、トイレの広さが幅70cm、奥行き112cmあれば設置可能です。

トイレ空間が狭い場合にできる対策をご紹介

ウォシュレットは壁リモコンタイプを選ぶ

ウォシュレットを操作する方法には、便座横についている袖リモコンタイプと、壁に埋め込む壁リモコンタイプがあります。

トイレの広さが狭いと、袖リモコンタイプは操作しにくいことがありますが、壁リモコンタイプは支障がありません。トイレが狭い場合には、壁リモコンタイプがおすすめです。

コンパクトな手洗い器を選ぶ

広さに余裕があれば、タンク付きの組み合わせ型トイレや、一体型トイレを選ぶこともできますが、スペースの都合上でタンクレストイレを選ぶこともあるでしょう。

タンクレストイレを選んだ場合は、手洗い器が必要です。2階に手を洗う場所がない場合は、トイレ内に手洗い器を設置しましょう。

手洗い器にも種類があります。横壁につけるコンパクトな手洗い器もありますが、壁のコーナー部に設置するタイプが省スペースでおすすめです。

また、壁内に埋め込み設置できる手洗い器もあります。トイレ内をスッキリと見せたい場合は、壁埋め込みタイプの手洗い器を検討してみましょう。

まとめ

1階との位置関係、排水管や給水管の長さ、出入口の種類など、増設ならではの注意点はありますが、2階にトイレを増設することは可能です。

必要最低限のスペースは確保しつつ、工夫をすれば使いやすいトイレ空間になります。

夜間に不便な思いをされている方は、ぜひ検討してみてください。