住宅の外壁は、雨や紫外線などの影響を直接受けるなど、非常に劣化しやすい環境にあります。
よって、建物を長く良好に保つためにも、状況に応じて「外壁リフォーム」を行っていくことが重要です。
そして、「外壁リフォーム」には、いくつかの種類があり、それぞれのメリットとデメリットを理解して決定することがポイントとなります。
そこで今回は、「外壁リフォーム」の種類のなかでも代表的な3つについて、それぞれのメリットやデメリットなどを解説したいと思います。
外壁リフォームの3つの種類とそれぞれのメリット・デメリット
住宅の外壁が劣化すると、雨水の侵入を許すようになり、下地や構造部などが傷んで耐久性の低下につながるケースがあります。
耐久性の低下は、そのまま建物寿命を縮める原因となることから、適切な方法でリフォームを行い、健全な状態を維持していくことが重要です。
外壁リフォームにはいくつかの種類がありますが、なかでも代表的なものといえば、以下の3つが挙げられます。
・塗り替え
・外壁カバー工法
・張替え
これら3つの外壁リフォームについて、どのような方法なのか、またメリットやデメリットなどどのような特徴があるのか、それぞれ詳しく解説いたします。
塗り替え
外壁リフォームの塗り替えとは、既存の外壁塗装を新しく塗り替えるといった最もスタンダードといえる方法です。
サイディングやモルタルなど、ほとんどの外壁仕上げ材は、塗装仕上げとなっています。
外壁塗装は、経年とともに劣化して防水機能などの重要な性能を発揮できなくなるため、建物へ影響が及ぶ前に塗り替えを行い、性能の維持を図ります。
塗り替えのメリット
塗り替えの最大のメリットは、3つの方法のなかで最も安いコストで行えることです。
また、外壁塗装には多くの種類があり、ニーズに合わせて選べる自由度の高さも魅力といえるでしょう。
ただし、材料コストや耐久性などの性能は、材料によって大きく異なるため、長期的な視点でコストパフォーマンスを検討することも重要になります。
塗り替えのデメリット
塗り替えのおもなデメリットは、外壁の劣化状況によっては対応できないケースがあることです。
劣化が著しく進んでいると、基材や下地までが痛んでいることも多く、塗り替えだけでは根本的な改善が期待できない可能性があります。
そのため、この場合は、張り替えなど別の方法を検討しなくてはなりません。
また、外壁塗装は、適切な方法で施工しないと、完成後に本来の性能を発揮できないことから、業者によっては品質に差が生じる場合がある点も注意が必要です。
<H3:外壁カバー工法
外壁リフォームの外壁カバー工法とは、既存の外壁の上に、新しい外壁を重ね張りする方法です。
サイディングなどの既存の外壁材を撤去せず、その上に新たな通気層を設け、防水シートと外壁材の施工を行います。
なお、外壁カバー工法を行う外壁材は、軽量である「金属サイディング」を用いて行うことが一般的です。
外壁カバー工法のメリット
外壁カバー工法のメリットは、まず既存の外壁材を解体撤去せずそのまま使用するため、廃材処分が発生しないという点が挙げられます。
そのため、廃材処分費や人件費などのコスト削減や環境への負担軽減を図れます。
また、新たな通気層を設けることにより、断熱機能や防音機能などの性能を付加できることもこの方法の魅力のひとつです。
外壁カバー工法のデメリット
外壁カバー工法のおもなデメリットは、新たな外壁材を重ね張りするため、建物の重量が大きくなり、少なからず耐震性能に影響を与えてしまうことです。
地震発生時には、柱や梁、壁などの構造部分に大きな負荷がかかりますが、建物の重量が大きくなると、遠心力によりさらに大きく負荷がかかります。
そのため、外壁カバー工法はできるだけ軽量な材料を使用することがポイントとなります。
また、金属サイディングを使用する場合は、素材の特徴となる「へこみ」や「サビ」が生じる可能性がある点でも注意が必要です。
張替え
外壁リフォームの張替えとは、既存の外壁材を解体撤去し、新たな外壁材に張り替える方法です。
サイディングなどの外壁材の他、防水シートや胴縁などのすべてを撤去し、一から外壁の施工を行います。
張替えのメリット
張替えのメリットは、通常であれば確認できない下地の状態をチェックできるため、建物のコンディションを根本的に改善したうえでリフォームできることです。
例えば、下地に腐れなどの著しい傷みがあったとしても、適切な補修を行ったうえで仕上げ材の施工に取り掛かれます。
また、既存の外壁材よりも軽量のものを採用すると、それだけで耐震性能の向上が図れることは大きなメリットとなります。
張替えのデメリット
張替えのおもなデメリットは、3つの方法のうち最も工期が長く、そしてコストも割高になることです。
多くの工程をこなす必要があることから人件費が大きくなりやすく、また廃材処分費なども多くかかってしまいます。
まとめ
外壁リフォームは、建物の寿命に影響するだけに、計画的に実施していくことが重要です。
外壁リフォームのおもな種類は、大きく「塗り替え」「外壁カバー工法」「張替え」の3種類ですが、それぞれのメリットとデメリットを理解して決定することがポイントとなります。
住宅の築年数や各家庭のニーズなども考慮しながら、最も適した方法を検討するとよいでしょう。