屋根の葺き替えを検討している方におすすめなのが、「ガルバリウム鋼板の屋根材」です。

ガルバリウム鋼板の屋根材は、葺き替えに際しては真っ先に候補として挙げられるほど人気があります。今回は、ガルバリウム鋼板の屋根材とはどのようなものなのか、概要やメリット・デメリット、メンテナンス方法などをご紹介します。

ガルバリウム鋼板とは

ガルバリウム鋼板とは、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%から成る「アルミニウム・亜鉛合金メッキ鋼板」です。

耐久性や耐熱性、加工性などに優れ、住宅はもちろん店舗や工場などさまざまな建築物に採用されています。

従来、金属屋根といえば「トタン」が主流でした。しかしトタンは錆びやすく、耐用年数が短いのが欠点でした。40年ほど前に錆びにくいガルバリウム鋼板が登場したことにより、トタンとの入れ替えが進み、今では「金属屋根=ガルバリウム鋼板」といわれるほどの存在になっています。

屋根をガルバリウム鋼板に葺き替えるメリット

屋根の葺き替えに際してガルバリウム鋼板を選ぶメリットは、以下の2つです。

耐震性を向上できる

既存の屋根が瓦や窯業系スレートである場合、ガルバリウム鋼板の屋根材に葺き替えることで耐震性を上げられるのがメリットです。

ガルバリウム鋼板の特徴として、軽量であることが挙げられます。ガルバリウム鋼板の重さは、1㎡あたり約4〜5kgとされており、これはスレートと比較すると約2分の1〜4分の1、瓦と比べると約10分の1しかありません。

現在スレートや瓦を使用している住宅の屋根をガルバリウム鋼板で葺き替えると、屋根が軽くなり重心が下がります。建物は重心が下にあるほど安定するため、結果的に耐震性が向上するのです。

屋根の重さと耐震性について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

屋根の重さと耐震性の関係とは?屋根の葺き替えは軽さを重視しよう

耐久性・防水性が高い

ガルバリウム鋼板は金属であるため、耐久性や防水性に優れているのもメリットです。

近年屋根材の主流とされるスレートは、素材がセメントであるため劣化すると吸水し、ボロボロになってしまいます。しかし金属であるガルバリウム鋼板は、水を吸い込むことがありません。

またガルバリウム鋼板の寿命は30年〜40年といわれており、適切なメンテナンスさえおこなえば、さらに長持ちさせることも可能です。

屋根をガルバリウム鋼板に葺き替えるデメリット

屋根をガルバリウム鋼板に葺き替えるデメリットは、以下の2つです。

断熱性に乏しい

金属であるガルバリウム鋼板は、単体では断熱性が乏しいのが特徴です。炎天下に駐車している車の内部が暑くなるのと同様に、ガルバリウム鋼板の屋根もそのままでは家の中が高温になってしまいます。

そのため屋根材として用いるときには、断熱材を使用して断熱性を高めることが非常に重要です。近年は、はじめから断熱材が裏打ちされたガルバリウム鋼板の屋根材も販売されています。価格は高くなりますが、将来的に快適な住環境を確保するためには断熱にコストをかけるようにしましょう。

錆びにくいが錆びないわけではない

ガルバリウム鋼板は、金属ではあるものの、錆びにくいのが特徴です。

これはガルバリウム鋼板の表面メッキに、耐食性の高いアルミニウムが使用されているのが理由です。ガルバリウム鋼板が傷ついたときには、鉄より先にアルミニウムが溶けだして酸化膜を作り、傷ついた箇所を守る役目を果たします。

とはいえ、まったく錆びないわけではなく、鋭利なもので深い傷が入ったときや、ほかの錆びた金属と長く接したときなどは、錆びが発生してしまいます。また金属である以上、塩害には弱いため、沿岸部など潮風が強い場所での使用は避けたほうが無難です。

ガルバリウム鋼板に葺き替えた場合のメンテナンス方法

耐久性が高く錆びにくいガルバリウム鋼板は、定期的なメンテナンスをおこなうと、さらに長持ちさせることが可能です。

ガルバリウム鋼板の表面には、本体にできるだけ水分がつかないよう、塗装が施されています。耐水性の高いガルバリウム鋼板を、さらに塗膜が守っているのです。

そのため塗装が劣化する前に塗り直すようにすると、ガルバリウム鋼板は常に守られた状態になり、寿命を延ばすことができます。表面塗装に使用されている塗料の耐用年数は10年程度が一般的なので、10年周期で再塗装をおこなうと良いでしょう。

まとめ

現在屋根材に瓦やスレートが使用されている場合は、葺き替えにあわせてガルバリウム鋼板の屋根材に変更すると、住宅自体の耐震性を上げられるのがメリットです。ガルバリウム鋼板は耐水性や耐久性が高いので、住宅の寿命を延ばすことにも繋がります。

なお祢冝田建設では、屋根の葺き替えのご相談に応じております。住宅のプロの視点で屋根の状態を確認したうえで、適切なご提案をいたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。