普段はじっくりと見ることがない外壁をふと見たら、ひび割れていた!と慌てていませんか。

家を雨や守っている外壁にひびが入っていると、雨漏りするのではないか、大きな問題がおこるのではないかと心配になってしまいますよね。

外壁のひび割れと一口にいっても、実は5種類あります。種類によって緊急度は異なるので、まずはどんなひび割れが発生しているのか見極めることが大切です。

今回は、外壁のひび割れの種類と発生する原因、対処法まで解説します。

塗膜の表面に発生する【ヘアクラック】

ヘアクラックとはその名のとおり、髪の毛ほど細いひび割れを指します。具体的には、幅が0.3mm以下、深さ4mm以下のひび割れが、ヘアクラックと呼ばれます。

<ヘアクラックの原因と対処法>

外壁の表面に発生するヘアクラックは、塗膜の経年劣化が原因と考えられます。毎日紫外線を浴びる塗膜は、劣化すると外壁素地の膨張・収縮に耐えられなくなり亀裂が生じてしまいます。

ヘアクラックは塗装表面のみのひび割れなので、深刻度は高くないため早急なメンテナンスは必要ありません。ただし外壁の表面に触れる粉のようなものがつくチョーキング現象が発生している場合は、塗装の劣化が進行していると考えられます。防水の役目を果たせなくなってしまう前に、早めに塗り直しが必要です。

モルタルが乾燥するときに発生する【乾燥クラック】

モルタルやコンクリートの外壁に施された塗装の表面に発生するヘアクラックは、乾燥クラックと呼ばれます。

<乾燥クラックの原因と対処法>

乾燥クラックは、モルタルなど湿式工法(水を加えて練った素材を塗りつける工法)で仕上げられた壁が、乾燥するときに収縮することが原因で発生します。モルタル外壁は塗装で仕上げますが、モルタルが乾燥するより先に塗装が乾燥してしまうと塗膜がひび割れてしまうのです。

乾燥クラックはモルタルが乾燥しきって収縮が止まると、それ以上拡大することはありません。割れ幅も小さく目立たず、表面のみのひび割れなので、基本的には急ぎの補修は不要です。

塗装の継ぎ目に発生する【縁切れクラック】

縁切れクラックとは、モルタル外壁など湿式工法で仕上げられた壁の、継ぎ目部分に見られるひび割れです。

<縁切れクラックの原因と対処法>

湿式工法では、壁1面を一度で仕上げるのが基本です。しかしなんらかの事情があり、途中で作業を中断したり、部分的にやり直したりしてしまうと、先に塗ったところと後に塗ったところの乾燥スピードが違うため、継ぎ目にひび割れが生じてしまいます。

縁切れクラックは外壁素地のひび割れなので、表面の塗膜に亀裂が入ることで、外壁内部に雨水が浸入してしまいます。軽微なものであれば補修材を注入し、再塗装することで補修できますが、大きくひび割れている場合はひび割れ部分をVまたはUカットしたうえでの補修が必要です。縁切れクラックを発見したら、リフォーム会社に程度を確認してもらいましょう。

外壁本体に発生する【構造クラック】

構造クラックは、コンクリートやモルタルの外壁、あるいは基礎部分に発生する深いひび割れを指します。具体的には幅0.3mm以上、深さ4mm以上のひび割れが構造クラックと呼ばれます。

<構造クラックの原因と対処法>

構造クラックは、地盤の不同沈下や基礎の劣化、構造的な欠陥などが原因で発生します。建物が大きく揺れたり歪んだりすることで、外壁がひび割れてしまうのです。

構造クラックは、外壁の素地まで及ぶ深いひび割れなので、放置していると雨水が浸入して外壁そのものが劣化し、最終的には建物自体の強度の低下を招きます。緊急度の高いひび割れなので、早めに業者に点検を依頼しましょう。基本的にはVまたはUカットしての補修をおこないますが、場合によっては耐震診断したうえで、耐震補強が必要になるかもしれません。

窓枠や扉の周辺に発生する【開口クラック】

開口クラックとは、窓枠や扉などの開口部の周辺に発生するひび割れで、四隅から斜め方向に亀裂が入るのが特徴です。

<開口クラックの原因と対処法>

開口クラックは、開口部の上下左右に負荷がかかることで発生します。構造的な問題なので、発生を予見したり、防いだりするのは難しいひび割れです。

開口部は雨が通る場所なので外壁内部へ雨水が浸入していきやすく、放置していると外壁や構造の劣化が進んでしまいます。発見したらできるだけ早く業者に点検を依頼し、対策してもらいましょう。開口クラックは、開口部の造りによって対処法が異なります。

まとめ

外壁のひび割れには種類があり、それぞれ原因や緊急度が異なります。基本的には、ヘアクラックなどの0.3mm以下のひび割れは様子を見ても問題ありません。ただし塗装の劣化が進んでしまうと外壁を雨から守れなくなるので、チョーキング現象など塗膜の劣化が見られたら早めに塗装メンテナンスが必要です。

0.3mm以上のひび割れは、状況によって緊急度が異なります。ひび割れの深刻度の判断は難しいので、基本的にはリフォーム業者に点検を依頼し相談するのがおすすめです。なお、祢冝田建設でも外壁リフォームのご相談に応じていますので、お気軽にお問い合わせください。

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