近年、住宅を新築するときやリフォームする際に、壁材や床材に「無垢材」を選ぶ人が増えています。安価で手軽に使用できる集成材や合板ではなく、「無垢材」を選ぶ理由は何なのでしょうか?
今回は、無垢材の特徴や魅力を、住宅に活用するメリットや注意点などとあわせてご紹介します。
無垢材とは?
無垢材とは、天然の丸太から切り出された柱や板状の部材のことです。工業品ではなく自然のものなので、一つひとつが一点ものとなり個性があります。
スギやヒノキ、パイン、オーク、チェスナットなど、切り出す木の種類によって、色合いや木目、香り、強度などに違いがあるのも無垢材の特徴です。
集成材との違い
集成材とは、のこぎりなどで薄くカットされた挽き板(ひきいた)や、小さな角材を乾燥させたものを接着剤などで接合して作られた木材のことです。
細かな部材が接着剤で強固に接合されているため、水分による反りが出にくいのがメリットです。一方接着剤が使用されているため、化学物質に過敏な方は反応してしまうこともあるようです。
合板との違い
合板は、集成材やベニヤ(木材を非常に薄くスライスして張り合わせたもの)の上に、挽き板や木目調の化粧シートが貼られたものです。無垢材よりも安価で、反りや歪みが発生しないメリットがありますが、集成材と同様に接着剤が使用されていることが気になる方もいるようです。
無垢材を住宅に使用する5つのメリット
集成材や合板ではなく無垢材を住宅に使用することには、以下の5つのメリットがあります。
・ナチュラルな雰囲気を楽しめる
・経年変化を楽しめる
・調湿作用がある
・断熱効果がある
・化学物質を含まない
順番に解説します。
①ナチュラルな雰囲気を楽しめる
無垢材は、天然の丸太から切り出された自然の素材なので、合板のように継ぎ目がありません。一枚一枚が唯一無二で、部屋に使用するとナチュラルな雰囲気を演出できます。触ったときに、かすかな弾力と温かみを感じるのも無垢材の魅力です。
②経年変化を楽しめる
無垢材は、経年とともに色があめ色に変わっていくものや、独特の艶が出たりするものがあります。
工業品は年月が経つと劣化していきますが、無垢材はより深みや味わいが出てくるのが魅力です。実際無垢材には「寿命」はなく、メンテナンスさえされていれば30年でも50年でも長持ちします。表面に傷が付いても、削りなおせば新品のようによみがえらせることが可能です。
③調湿作用がある
調湿作用があることも、無垢材の特徴です。
無垢材は、夏場は空気中の水分を吸収して湿度を下げ、反対に湿度が低い冬場は水分を放出して部屋を乾燥しにくくしてくれます。
④断熱効果がある
無垢材は、断熱効果が高いこともポイントです。たとえばフローリングに無垢材を選ぶと、夏場は寝転ぶとひんやりと気持ちよく、反対に冬場は足元が冷えることがありません。無垢材を家に使うと、暑さや寒さの影響を受けにくくなり、快適に過ごせるようになります。
⑤化学物質を含まない
無垢材は集成材や合板と違い、接着剤が使われていないので化学物質を含みません。そのため燃えても有害物質が発生せず、環境に優しいことも特徴です。
無垢材を住宅に使用する際の注意点
経年変化を楽しめる、調湿作用や断熱効果が得られるなどメリットが多い無垢材ですが、住宅に使用するときには以下のような注意点があります。
・十分に乾燥された材料を使用する
・こまめな手入れが必要になる
順番に解説します。
①十分に乾燥された木材を使用する
無垢材は、十分に乾燥させたものを使用しないと、反りやひずみ、ねじれが起こりやすいため注意が必要です。無垢材には調湿効果があるとご紹介しましたが、木材は水分を放出するときに収縮する性質があるためです。腕の良い工務店だと、無垢材の性質を理解したうえで適切に扱ってくれるので心配はありません。
②こまめな手入れが必要になる
無垢材は水分に弱く傷つきやすいことから、壁材や床材に使用するにはこまめな手入れが必要になる点にも注意しましょう。
とくに長時間の水濡れは、表面のシミや膨張などの原因になってしまうため、飲みものなどをこぼした場合はすぐに拭き取ることが大切です。かといって表面を保護するために、ウレタン塗料などを塗ってしまうと無垢材の調湿性や温かみなどが失われてしまいます。
表面を保護したいときには、蜜蝋ワックスなどの天然塗料で仕上げるなど、無垢材の良さを損なわないよう工夫しましょう。
まとめ
天然木を切り出して作られた無垢材を住宅に使用すると、自然そのものの温かみやナチュラルさを楽しめます。ただし無垢材を使用する場合、反りやねじれが発生しないよう十分乾燥したものを選ぶ、性質を理解したうえで取り扱うことが求められます。
祢冝田建設は、無垢材を使用した住宅の新築やリフォーム経験が豊富です。無垢材を使って家を建てたい、無垢材フローリングに張り替えたいといったご相談がございましたら、いつでもお問い合わせしてください。