近年、日本各地で大きな地震が相次いでいます。「自宅の耐震性は大丈夫かな……」と気になっている人も多いのではないでしょうか?

1981年(昭和56年)5月31日以前に建築確認が交付されて建てられた家は、現行の耐震基準に沿っていないため、耐震性が不十分な可能性があります。また、厳密に言うなら、2000年5月以前に建てられた家も、基礎の形状や壁の配置バランスなどが、現行の基準を満たしていません。そのため耐震性が気になる人は、耐震診断を受けたうえで耐震性を高める改修工事を検討するのがおすすめです。

そこで今回は、耐震診断から耐震改修までの一連の流れを、4つのステップに分けてご紹介します。

STEP①まずは簡易診断をしてみよう

自宅の耐震性が気になるときには、日本建築防災協会が提供している、自分でできる簡易診断をしてみましょう。10項目の簡単な質問に答えることで、耐震に関しての理解を深め、住宅のどんなところに地震に対する強さ・弱さのポイントがあるのかがわかるようになります。

一般財団法人 日本建築防災協会「誰でもできる我が家の耐震診断

STEP②耐震診断を受けてみる

簡易診断をしてみて、耐震性に不安がある場合には、耐震診断をおこなっている業者に調査してもらいましょう。耐震診断から耐震工事まで、一貫して依頼できる業者を探すのがおすすめです。

STEP③耐震補強の方法を検討しよう

耐震診断の結果、耐震改修が必要と判定されたときには、改修するか建て替えるかを検討します。

基本的に、以下のようなケースでは、建て替えをおすすめします。

・地盤が緩んで建物全体が歪んだり傾いたりしている

・基礎や柱、梁(はり)などの重要な構造部分に深刻な劣化がみられる

地盤が緩んでいる場合には、建物を取り壊して更地にし、地盤改良工事をおこなう必要があります。また、基礎や構造部分が劣化しているケースでは、耐震補強をするほうが、コストがかかる恐れがあるためです。

建て替える必要はなく、耐震改修で対応できる場合には、以下のような工事から、状況に応じて適切な方法を検討します。

壁の補強

家を支える「耐力壁」と呼ばれる壁を補強・追加します。間取りの変更や増改築とあわせ、バランス良く耐力壁を配置するのがおすすめです。

ただし極端に強度の高い耐力壁を部分的に入れてしまうと、かえって住宅全体のバランスを崩す恐れがあるため注意が必要です。

接合部の金物補強

2000年(平成12年)以前に建築された住宅のなかには、筋交い(柱と柱の間に斜めに入れて支える部材)の端の部分や柱頭、柱脚の固定が不十分なケースがあります。

とくに束の付け根や既存部分と増改築部分との接合部は、地震で揺れたときに大きな負担がかかります。リフォームで壁の仕上げ材をはがすのとあわせ、接合金具で補強しましょう。

基礎の補修工事

増築や耐力壁を増設するのにあたり、基礎を新設する場合には、既存の基礎と一体化させることが重要です。接合部は、アンカーなどで鉄筋をきちんと接合します。

とくに耐力壁を補強する場合には、その周辺部だけでも、強さに応じた基礎の補修を実施しましょう。

腐食や白アリ対策

構造部分が腐食したり、白アリ被害にあったりしていると、建物の耐震性は一気に下がってしまいます。とくに浴室や洗面所などの水回りの床下は、腐食しやすいので注意が必要です。リフォームで壁や床をはがしたときに、軸組が劣化していないかは必ず確認しておきましょう。

屋根や壁の軽量化

建物の重量は、耐震性に大きく影響します。とくに屋根が重いと、重心が高くなるので、地震の際の揺れ幅が大きくなります。屋根を葺き替えるときには、既存の屋根材よりも軽量なものを選び、建物の重心を下げるのがおすすめです。

屋根材の重さと耐震性についてはこちらの記事をご覧ください。

「屋根の重さと耐震性の関係とは?屋根の葺き替えは軽さを重視しよう」

壁材についても、モルタルからサイディングに張り替えるなどすれば、軽量化によって耐震性を上げられます。

STEP④耐震補強工事をおこなおう

施工計画に従い、耐震補強工事を実行します。

あわせて断熱材を仕込むなど、住宅全体の性能を上げることを検討するのがおすすめです。

耐震工事を依頼する業者の選び方

耐震工事を依頼するときには、住宅全体の知識が豊富な業者を選ぶことが重要です。リフォーム業者のなかには、内装は得意だけれども外装は苦手、屋根は経験豊富だけれども家全体の工事はあまり経験がない、といったところも少なくありません。

しかし耐震工事は、家全体のバランスを見て、きちんと耐震設計をおこなう必要があります。専門的な知識を要するため、建築設計をおこなっている業者に依頼するのが無難です。大切なマイホームの寿命をできるだけ長引かせるために、耐震工事を依頼する業者は慎重に選びましょう。

まとめ

住宅の耐震性が気になったときには、まずは自分で簡易診断をするのがおすすめです。そのうえで、住宅の耐震設計に詳しい業者に耐震診断を依頼し、工事を検討すると良いでしょう。

なお、祢冝田建設でも碧南市を中心に、高浜市、安城市など愛知県内にある住宅の耐震診断や耐震改修工事を承っております。耐震診断は無料で受けていただけますので、まずはお気軽にお問い合わせください。