「雨漏り」と聞くと、屋根が破損して起こるもの、と思っていませんか?実は雨漏りは、外壁から発生することもあります。しかも外壁からの雨漏りは気づきにくいので、発見したときには家自体が劣化していることも珍しくありません。そのため外壁からの雨漏りは、未然に防ぐことが何よりも大切です。
そこで今回は、雨漏りを未然に防ぐために知っておくべき外壁の劣化症状と、それに応じた対処方法を紹介します。
外壁からの雨漏りを防ぐために知っておきたい劣化症状と対処法
外壁からの雨漏りを防ぐためには、できるだけ早く劣化の兆候をつかみ、対処することです。雨漏りにつながる可能性のある症状は、主に以下の4つです。
①シーリングのひび割れ
②サイディング外壁のひび割れ
③サイディング外壁の反りや変形
④水切り金具のサビや腐食
それぞれどのような症状なのか、対処方法とあわせて紹介します。
症状①シーリングのひび割れ
外壁材の継ぎ目やサッシ周りなどには、シーリングと呼ばれるゴム状の建材が使用されてすき間が埋められています。しかしシーリングは、耐用年数が5〜10年程度しかなく、経年劣化が進んでくると弾力がなくなり、硬化するのが特徴です。
シーリングが硬化すると、ひび割れたりサイディングやサッシとの間にすき間ができたりすることで、雨漏りしてしまう可能性があります。
<対処方法>
シーリングが劣化してきたら、既存のシーリングを取り除いて「打ち替え」をおこなう必要があります。サッシ周りなど、打ち替えが難しい場所に関しては、既存のシーリングの上に重ね塗りする「増し打ち」を検討しましょう。
症状②外壁のひび割れ
外壁にひび割れが発生すると、外壁内部に雨水の侵入を許してしまいます。外壁のひび割れが、塗膜表面に見られる「ヘアークラック」と呼ばれる細かなものであるなら、まだ雨漏りの心配はありません。しかしひび割れが0.3mmを超えている場合は、雨水が外壁内部までしみ込んで、下地や構造にまで悪影響を与えている可能性があります。できるだけ早く対処が必要です。
<対処方法>
外壁のひび割れがヘアークラック程度であるなら、塗装メンテナンスをおこなうことで劣化の進行を防げます。しかしひび割れが0.3mmを超える場合は、その部分のサイディングを張り替える必要があります。
もし深刻なひび割れが広範囲に及んでいるなら、既存の外壁材の上に軽量な金属系サイディングを重ね張りするカバー工法や、既存の外壁材をすべて撤去して、新しい外壁材への張り替えを検討しましょう。
症状③サイディング外壁の反りや変形
窯業系サイディングは、継ぎ目のシーリングや表面の塗装の劣化が原因で、吸水と乾燥を繰り返して反りや変形が発生することがあります。サイディングが壁から浮いた状態になってしまうと、そこから雨水が浸入して雨漏りにつながります。
<対処方法>
反りや変形が発生したサイディングは、程度が軽ければビスなどでとめ直すことで元の状態に戻せます。しかし、反りや変形の程度がひどくて押さえても元に戻せない場合や、広範囲に及ぶ場合には、ひび割れと同様にカバー工法や張り替えを検討する必要があるでしょう。
症状④水切り金具のサビや劣化
家を建てるときには、さまざまな部材を継ぎ合わせる必要があるため、接合部分からの浸入を防ぐ目的で「水切り金具」が取りつけられています。水切り金具を壁に接合している釘や、金具自体がサビて腐食してしまうと、雨水の浸入を防げなくなってしまいます。
<対処方法>
水切り金具の劣化を発見したら、サビを落として壁にしっかり接合しなおしたり、新しいものに取り換えたりする必要があります。場所によっては、接合部分にシーリングを施すのも有効です。
すでに雨漏りが発生している場合は張り替えリフォームが必要
もし、屋内に以下のような症状が見られたら、すでに外壁からの雨漏りが発生していると考えられます。
・壁紙にシミができている
・窓枠から雨水が垂れてくる
・壁紙が湿っぽくカビ臭い
・壁紙がカビている
外壁の内部には、防水シートが取りつけられているので、よほどでなければ部屋の内部まで水が浸入してくることはありません。逆にいえば、室内の壁に上記のような症状が発生しているなら、雨漏りがすでに深刻な状態になっていると考えられます。
そのようなケースでは、既存の外壁材を一度すべて撤去して、下地からやりなおす張り替えリフォームを検討する必要があるでしょう。
まとめ
外壁から雨水が侵入してしまうと、家自体に深刻な影響を与える可能性があります。そのため基本的に雨漏りは、発生してから対処するのではなく、未然に防ぐことが重要です。家の外壁に劣化症状を認めたときには、防水機能を失って家を守れなくなる前に、早めにメンテナンスを実施しましょう。
祢冝田建設でも、各種外壁リフォームを承っています。外壁の状況を確認したうえで、塗装やカバー工法・張り替えなど、もっとも適切なメンテナンス方法をご提案いたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。