直射日光や雨、雪などから大切なマイホームを守ってくれるのが「屋根」です。しかし一口に「屋根」といっても、色やデザインだけではなく、素材の違う屋根があるのに気がついたことはないでしょうか?
実は屋根に使用される屋根材は、大きく分けて「瓦」「スレート」「金属」の3種類があり、それぞれ特徴が異なります。今回は、それぞれの特徴やメリット・デメリットを紹介します。
瓦屋根の特徴
瓦はかつて日本の住宅の屋根にもっとも多く使用されていた屋根材です。瓦屋根には、以下の2種類があります。
・粘土瓦
・セメント瓦
粘土瓦は、その名のとおり粘土を材料にした瓦です。粘土を瓦型に成型し、高温で焼き上げて作られます。日本瓦、和瓦、陶器瓦などと呼ばれることもあります。一方セメント瓦は、セメントと砂、そして水を混ぜて瓦型に流し込んで固め、塗装されたものです。形状は瓦とそっくりですが、まったく別の種類です。
粘土瓦のメリット・デメリット
粘土瓦は、耐久性が非常に高いことがメリットです。粘土瓦の寿命は50年以上とされていますが、奈良県にある元興寺の屋根瓦が1400年以上前に作られたものであることを考えると、半永久的ともいわれています。ほかにも断熱性や防音性、耐火性、耐水性にも優れているのが粘土瓦の特徴です。
一方粘土瓦は、屋根材のなかでも高価である点がデメリットです。また重量があるため家の重心が高くなりやすく、耐震強度に影響する場合があります。
セメント瓦のメリット・デメリット
セメント瓦は、制作工程中に着色できることから、形や色のバリエーションが豊富なことがメリットです。建物全体の雰囲気にあわせやすく、イメージを損ないません。一方セメント瓦は粘土瓦ほどの耐久性はなく、30〜40年程度といわれています。表面に塗られた塗料の劣化にあわせ、10〜15年ごとの塗装メンテナンスも必要です。
スレート屋根の特徴
スレート屋根は、セメントと繊維材料を混ぜたものを約5mmの薄い板状に加工して、表面塗装して仕上げられた屋根材です。現場では「コロニアル」や「カラーベスト」といった商品名で呼ばれることもあります。
スレート屋根のメリット・デメリット
スレート屋根は、カラーバリエーションが豊富で、外壁の色と合わせやすいのがメリットです。平板や波板などデザインも選べるため、好みの屋根に仕上げられます。瓦と比較すると重量が軽く、耐震性が高くなるのもポイントです。価格も比較的安価なので、費用を抑えたリフォームが可能です。
一方スレートは薄いため割れやすいことがデメリットです。素材がセメントなので耐水性・耐久性も低く、耐用年数は20〜30年程度とされています。表面の塗装の劣化にあわせて10〜15年ごとにメンテナンスしなければ、さらに寿命は短くなってしまいます。
金属屋根(ガルバリウム鋼板)の特徴
現在主流の金属屋根は、ガルバリウム鋼板(鉄にアルミと亜鉛、シリコンを組み合わせた合金をメッキしたもの)を約0.4mmに薄く長く加工したものです。現在日本でもっとも採用されている屋根材で、2020年に株式会社矢野経済研究所が公表した調査結果では、国内屋根材市場の64.1%を占めています。
h3:金属屋根(ガルバリウム鋼板)のメリット・デメリット
現在金属屋根の素材として主流のガルバリウム鋼板は、薄いため加工しやすく、複雑な形をした屋根にも対応できるのがメリットです。その薄さからほかの屋根材よりも圧倒的に軽量で、瓦と比べると約10分の1、スレートと比較しても約2分の1〜4分の1しかありません。屋根が重くならないため、建物の耐震性を高めるのにも効果的です。定期的な塗装メンテナンスさえ行えば、基材合板そのものは劣化しないといわれています。
ガルバリウム鋼板はサビに強いので、簡単に穴があくことはありませんが、サビ自体は発生します。サビを防ぐためには、定期的に表面を塗装しなおす必要があります。また金属屋根は、遮音性や断熱性に劣るため、雨音が響く、屋根裏が暑くなりやすいのもデメリットです。ただしこれらは施工時に対策を施すことで、問題を軽減できます。
まとめ
屋根材はそれぞれ特徴が異なるため、リフォーム後に使用する種類を選ぶときには何を重視するのか優先順位をつけることをおすすめします。
耐震性を重視するなら、既存の屋根材よりも軽い種類を選ぶのがおすすめです。家の重心が低くなり、建物への負担が減るため耐震性が上がります。
コストを優先するなら、スレート屋根が比較的安価です。しかしスレート屋根は寿命が短く、定期的な塗り替えも必要になるので長期的には高くつく可能性があります。金属屋根は耐久性もあり、耐震性も高められますが、色や使い方によっては安っぽく見えるという人もいます。
祢冝田建設では、工務店としての豊富な経験のなかから、お客様の住宅に最適な屋根材のご提案が可能です。まずはお気軽にご相談ください。